世界的音楽家で、「世界のサカモト」と評された坂本龍一さんが2023年3月28日に死去されました。
2021年に直腸がんであることを公表されていた坂本龍一さん。
がんを患っていることが発覚してからこれまでの坂本さんの闘病の経緯と、がんが発覚してからの健康に対する坂本さんの意識の変化、
坂本さんがニューヨークからお忍びで通う鍼灸院についてまとめてみました。
坂本龍一のがん闘病の経緯
2021年に直腸がんであることを公表された坂本龍一さんですが、実は、その前にも別のがんを患っていらっしゃいました。
時系列で見ていきたいと思います。
2014年 中咽頭がんが発覚
2014年6月、坂本さん62歳の時、のどに違和感を覚えて病院にて診察を受けたところ、中咽頭がんとの診断を受けられました。
「実は自覚症状が以前からあったんです。のどに異物感というか不快感がありました。
そこで2014年3月ごろに日本で人間ドックに入って検査を受けたんですが、特にのどに異常は見つからなかった。だから自分がまさかがんだとは思ってもいませんでした。
その後、のどの異物感が増してきたのでニューヨークの専門医で検査してみたら、中咽頭がんだと宣告されてビックリしてしまった。
健康には人一倍気を使ってきたつもりなのでかなりショックでした」
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ステージは、「ⅡとⅢの間」。
坂本さんはこの時、「生まれて初めて死を意識した」そうです。
そもそも、近代医学が発展したのはここ100年くらいですよね。
昔なら、このまま死を迎えていたかもしれない。それも自然なあり方なのかもしれないけれど、僕は「生きたい」と思いました。
仕事を考えて治療を遅らせようか、いや、治療と同時並行でもいいのではないか。さまざまな考えが浮かびました。
でも、主治医から「生きていないと仕事もできないよ」と忠告され、治るまで無期限で休むと決め、がんを公表しました。
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2014年7月10日、中咽頭がんを患っていることを公式サイトにて発表されたところ、一部メディアにて「脱原発運動を率いてきた立場から放射線治療を拒否している」と報じられたこともありましたが、
実際には、坂本さんは放射線治療を受けられ、中咽頭がんは寛解。
7週間の放射線治療を受けられたそうですが、治療中は大変だったようで、以下のように治療中の様子を語られていらっしゃいます。
口からのど全体が口内炎になったような痛みが襲ってきました。
つばを飲む、食べる、飲む。その度に痛くて涙が出ました。
痛みは強くなり、治療の折り返しまで来た時、耐え切れなくなりました。大泣きして、主治医に「やめさせてくれ」と訴えました。
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当然、身体的な大変さだけではなく、治療は精神的にも過酷なものだったようです。
治療中は、音楽なしの生活でした。聴く気にも、つくる気にもなれなかった。
そんな経験はあの9.11同時多発テロ以来。人生で2度目のことです。
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壮絶な治療の末、中咽頭がんを克服された坂本さんでしたが、数年後、新たながんが見つかったのです。
2020年 直腸ガンが発覚
2020年6月にニューヨークにて検査を受けたところ、直腸がんと診断された坂本龍一さん。
2014年に患った中咽頭がんの放射線治療がうまくいったので、ニューヨークのそのガンセンターのことを信頼されており、
直腸がんと診断されてからは、がんセンターの治療方針に従って、放射線治療と並行して抗ガン剤も服用されていたとのこと。
ですが、治療を始めて数ヶ月が経っても、なかなかガンが消えなかったそうです。
その後、2020年12月に日本での仕事があったことで、帰国のついでに日頃から”物忘れ”の悩みがあったことから、日本の病院で脳の調子を調べておこうと人間ドックを受けられたところ、
脳は正常だったものの、直腸がんが肝臓やリンパにもがんが転移しているということが分かったのです。
この時点で放射線治療が終わって3ヶ月は経っていましたが、なぜかニューヨークの病院では転移の事実を告げられていませんでした。
少なくとも9月末には転移の根っこは見えていたはずなのに。
当然、転移自体がショックなことだけど、全米でも一、二を争うガンセンターが見落としていたのか、あるいはどういう理由でか、ぼくに黙っていたことに対して、一気に不信感が芽生えました。
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そして、日本にて最初に坂本さんを診察した医師によると、病状は以下のようなものだったそうです。
『何もしなければ余命半年ですね』と、はっきり告げられました。
かつ、既に放射線治療で細胞がダメージを受けているので、もうこれ以上同じ治療はできないと。
加えて彼は、『強い抗ガン剤を使い、苦しい化学療法を行っても、5年の生存率は50%です』と言います。
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「5年の生存率は50%です」という医師の言葉は、「きっと統計に基づいた客観的な数字なのだろう」としながらも、
坂本さんは、「患者に希望を与えないような断定的な言い方をする医師とは、きっと自分とは相性が悪いだろう」と、別の病院にて治療を受けられるように。
ですが、別の病院だからと言って、医師の見解に大きな変化があるわけでもなく、坂本さんの病状が深刻な状況であるという判断は同じだったそう。
「紹介先の病院でセカンドオピニオンを聞いたところ、転移があるという時点で、ステージ4に認定されてしまうそうなんですね。
しかもその後の検査で、肺にもガンが転移していることがわかりました。
はっきり言って、絶望的な状態です。
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2021年1月から2年間の間に、坂本さんは6度の手術を受けられたそうです。
まずは、2021年1月に直腸の原発巣と肝臓2か所、さらにはリンパへの転移を取る外科手術を受けられましたが、
その時の手術は、当初12時間ほどを予定していたものの、結果的に20時間もかかったとのこと。
午前中から始まって、翌日の午前4時までの大手術となったそうです。
また、その後も、2021年10月と12月の2回に分けて、両肺に転移していたがん腫瘍の摘出手術を行うなどされたそうですが、
それですべての病巣が取り除かれたわけではないようで、
ただ、これでようやく最後だと思ったら、どうもまだ病巣は残っており、さらに増殖しているらしい。
先生からそう聞かされたときは、さすがにガクッときました。
あとはひとつひとつ手術で取るのではなく、薬で全身的に対処するしかないそうです。終わりの見えない闘病生活ですね」
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坂本さんは、「がんから完治する」のではなく、「がんと共存する」を目標にしていらしたようです。
ニューヨークから兵庫の鍼灸院に
2014年7月、中咽頭がんを患っていることが発覚してから、坂本龍一さんは大好きなお酒やお肉を一切口にしないようにされていたそうです。
その理由は、「お酒や肉は、がんを喜ばせてしまうから」。
また、ある音楽関係者の方は、以下のように仰っていたとのこと。
「中咽頭がんになって以降、坂本さんは健康に気を使うようになりました。
それまで丸3日間寝なかったり、食生活も肉食中心だったんですが、野菜中心にし、十分な睡眠をとるようになったそうです。
カイロプラクティックやヨガなどを中心にしたワークアウトもスケジュールに入れていました」
東京スポーツ
坂本さんが特に重要視していたのが腸のケアだったそうです。
「人の免疫機能を詳しく調べると、腸が重要な役割を果たしていることを知ったのです。
炭水化物や野菜などを食べる時、腸に負担にならない順番にし、乳酸菌も本当に効果があるものだけをとっていたそうです。」
東京スポーツ
また、坂本さんご自身も、中咽頭がんの治療後、このように応えられています。
「免疫力の回復を最優先しています。治療で痛めつけられた体をどう回復させるかは個人に任されていて特に食事制限もなかった。
『とにかく体重を戻せ、肉をたくさん食べろ』なんて言われる。高タンパクをとって筋肉をつけろということでしょう。
僕はがんと診断された直後から完全菜食主義にして、その後は少し緩めて魚介類まで食べています。でも肉は食べません。いまのところ体調は良好。
仕事を始めてから約40年間は休む暇がなかったので、これは天から与えられた休養期間だと思うことにしました」
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そんな、人一倍健康に気を遣うようになった坂本さんが、中咽頭がんの術後、日本に帰国するたびにお忍びで通われていた治療院があるそうで・・・
「兵庫県内の小さな鍼灸院です。がんなどの難病もハリで治すという“ゴッドハンド”の先生がやっている、知る人ぞ知る鍼灸院。
日本全国からの患者さんで予約は半年先までぎっしり。“世界の坂本”ですら、半年待たされるんです」(坂本の知人)
週刊女性PRIME
また、坂本さんの知人によると、鍼灸院の先生の“禁煙のツボ”への鍼で坂本さんが長年できなかった禁煙を成功させたのだそう。
ただし、ニューヨークから通ってこられる坂本さんの治療については、鍼灸院の先生曰く、「鍼でがんを治している」のではなく、
「身体を治している」、すなわち「(鍼治療によって)免疫力をあげている」のだそう。
坂本さんは中咽頭がんの術後に通われていたとのことで、直腸ガン発覚以後、どのくらい通われていたかはわかりませんが、鍼の力もがんには勝てなかったようです。
まとめ
世界的音楽家の坂本龍一さんが、2023年3月28日に死去されました。享年71歳。
坂本さんは、2014年6月、62歳の時、のどに違和感を覚えて病院にて診察を受けたところ、中咽頭がんとの診断を受けられました。
放射治療の結果、中咽頭がんは寛解。
ですがその後、2020年に直腸ガンが発覚し、6回もの手術を受けられるなど、壮絶な闘病生活だったようです。
偉大な音楽家の死に世界中が悲しみに包まれています。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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